チャーリー軽木の妻の記録(パンフレットに寄せたコメント)

Mama-チャリカルキ vol.5「真夏のキャロル」より

ーケー、じゃもう一度作戦を確認するわよ。
本作戦の目的は、速やかに且つ自然にチャーリーに今日が何の日か思い出させる事、そしてあたしへのプレゼントを買って来させる事よ。 みんな良いわね?あたし達の結婚記念日の為にひとはだ脱いでちょうだい。 …ああシンディ、「ヒトハダ脱ぐ」ってのは東洋のことわざよ。 チャーリーが芝居の演出の仕事で行ってる国の。 誰かの為に協力するって言う意味で…アビー、だからことわざだってば、ホントに脱がなくていいの。 パンツ上げなさい。またうちの息子に輪ゴムぶつけられるわよ、見事引っかかったら百点!って。

まず空港に郵便配達に行ってるテビオが、帰国したチャーリーと偶然会って天気の話をする。 大丈夫、チャーリーが演出してる劇団はお金がないから、空港から自宅まではバスを使うわ。 だからバス停の所にテビオを待機させてれば必ず会う。 で、天気の話から今日が何の日か思い出させる。 …何マイケル?そんな事で思い出すかって? 思い出すわよ。あたし達が結婚したのはまさに今日みたいなドシャ降りだったんだから。 雨で近くの川が氾濫して予定の半分も招待客が来なかったんだから。 で、もしテビオの話でも思い出さなければジャネットの出番よ。 デパートに勤めてるジャネットが偶然このバスに乗り合わせていて、今デパートで花が大安売りしてる事を告げる。 「誰かへのプレゼントにどうですか?」って。 …え?ジャネットは今日休みでしょうって? 大丈夫よフェリシア、今日の為にジャネットはデートすっぽかして朝から空港行きの巡回バスに乗りっぱなしなの。 車弱いのに。エチケット袋の束持ってこの町と空港の間をぐるぐる回ってるわ。 青白い顔で「お客様の為なら!」って言ってくれたのよ、泣けるじゃない…。

そして、それでも駄目なら最後の手段。フェリシアとアビーとシンディ。 あなた達がバス停でさっき教えた歌を歌うのよ、フェリー歌ってみて? …そう、「結婚は良いものだ、その記念日はもっといい」 …え何フェリシア?不自然すぎる?ドシャ降りのバス停であなたと子供達がこんな歌を歌ってるのが? いいのよ、ここまでして気付かなかったらもう駄目よ。 本当はうちの息子に参加させたいけど、あいつテストで落第点取って補習中なの…ってあら? …何であなたここに居るのチャーリー!バスに乗ったんじゃないの? …えタクシー?寄る所があったから? …なにその花束…今の全部聞いてた?え? …あの、その、…ああ、愛してるわチャーリー。

自宅のリビングにて
チャーリーの妻

劇場公演

Mama-チャリカルキ

Mama-チャリカルキ 番外編

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